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気軽になんでもネットで買える便利な時代になったからこそ、その商品に込められて想いを知るきっかけはほぼないと言っても過言ではないだろう。

そんな作り手の想いを知り、伝え、商品を通して人と人が繋がれる場所が、別府の北浜にある雑貨店『y’s Rark.n3』だ。

店内には、さまざまなデザインのアクセサリーやコースターやポーチなどの雑貨、バッグ、陶器の小物置きや、ベビー服、ドライフラワーのブーケや、リース、お菓子など、幅広い商品が並べられている。『y’s Rark.n3』のオープンは2022年9月。オープンのきっかけは、コロナ禍に入り、イベントなどが軒並み中止になったことで、人と触れ合う機会が絶たれたことだったと、オーナーの溝部さんは語ってくれた。

「ハンドメイドの作家として10年活動している中で、大小さまざまなイベントを主催してきました。ですがコロナ禍を機にイベントがなくなってしまい、人と人が直接、顔を合わせて話す機会が失われてしまったことにとても心が痛み、私にとってそれはとても辛い時期でした。人とコミュニケーションをとることが大好きで、その大切さを実感していたこともあり、人と人が直接つながって、ほっとできる場所を作ろうと思ったのが、『y’s Rark.n3』誕生のきっかけでした」(溝部さん)

そんな「人が大好き」という溝部さんが、『y’s Rark.n3』を運営する中で最も大切にしているのは、商品に込められた想いや魅力を、作家の想いを代弁するかのようにお客さんに伝えることだという。

「今は手軽に何でも買える時代ですが、やはりその商品に実際に触れてもらい、そして店員とのコミュニケーションを通して、初めて伝わる魅力もあるのではないかと思っています。お店に並べている商品は全て私が直接お声がけした方のみで、私自身がその作品の魅力を伝えたいと思った商品でもあります。作家さんの想いを代弁し、その商品のバックボーンを知ってもらうことで、お客様にとってその商品の魅力が初めて伝わる。このお店でさまざまなコミュニケーションを作っていきたいと思っているのですが、その中でも作家さんとお客様も繋ぐという意識も、お店作りに大きな影響を与えていると感じます」(溝部さん)

基本的に、ハンドメイド作家が店舗に委託で置いてもらう際は、その商品に対する説明が伴う接客がない場合が大半だが、溝部さんは、ただ単に商品を置くだけではなく、来てくれたお客さんにその作家の思いを伝えることを大切にしており、それが『y’s Rark.n3』という雑貨店の独自性ともいえるだろう。

また、溝部さんが選りすぐった商品は、月替わりでアイテムを変えるなど、「いつ来ても新たな発見があるように」と飽きない工夫をし、その時々で、並べる商品のコンセプトやジャンルなどが被らないように、差別化も心がけているそうだ。そんなそれぞれの想いが集結した『y’s Rark.n3』には、遠くからも多くのお客さんが訪れるという。

「インスタを見てくれていて、福岡や、北九州、県内でも佐伯などから「やっと、これました!」と言ってお越しくださる方もいます。長年、アパレルの仕事をしていたということもあり、人に信頼してもらうことが商品を買っていただく上で最も大事で難しいことだと実感しています。だからこそ、まず私という人間のファンになってもらうことで生まれる信頼感を通じ、『y’s Rark.n3』が、お客様にとって元気で日常を過ごすために必要な居場所になってくれると良いなと日々、思っています」(溝部さん)

別府という場所での雑貨店というと、それだけで充分珍しいのだが、溝部さんの「人と人のつながりを通して、ほっとできる場所」という想いに応えるかのように、気軽に溝部さんに悩み相談をしに来たり、コーヒーを飲んでお喋りしにくる常連客も多くいるそうだ。
そして『y’s Rark.n3』で提供するドリンクメニューにも、溝部さんのお客さんのための”こだわり”が詰まっている。

ハンドメイド歴11年目の溝部さん制作のオリジナルリースたち

カシスで割ったミネラルたっぷりの「セラムドリンク」は、ほどよい炭酸にベリーの甘酸っぱさが清涼感を与え、ベリーの果肉も味ごたえがあり、非常に満足感の高い一杯だ。

他にも京都・小山園の焙じ茶パウダーRichを使用したほうじ茶ラテや、子どもにも大人気の高級マッタが手軽に飲める「クールグリンティー」など、その日の気分で本格的な味わい深さを楽しめるドリンクメニューも充実している。

「人」との繋がりの中で、さまざまなものを見出してきた溝部さん。

ミネラルたっぷり!美容と健康に良い「セラムドリンク」

人と繋がる事の難しさも味わってきたからこそ、人と繋がることの喜び、そしてそれに伴うことで得られるものの重要さを、より多く知ってもらうために、今現在も月1ほどの定期的なペースでさまざまなイベントを主催し、実行しているという。

「私自身もお客様や、作家さん、イベントに出展してくださる方々との生の触れ合いや関わりを通して、いろいろな視点を与えてもらい、思わぬ拡がりに発展していく瞬間も多くありました。行事やイベントのコンセプトに合わせて、フードや、ハンドメイド、キッチンカーなど、食べても見ても楽しく、家族や友達などで参加した時に思い出に残る”非日常を感じさせるイベント”になるように心がけています」(溝部さん)

便利なツールが増え、簡単に人と繋がる選択肢も増えたが、本当の生身の人と人として繋がれている瞬間は、実際どれだけあるのだろうか?と溝部さんとのコミュニケーションを通して、思わず考えてしまった。

私も取材の際、気に入ったイヤリングとお菓子を購入したのだが、ただ単に気に入ったものをネットで購入した時とは違い、イヤリングをつける度、お菓子を食べる度、「これはあの時、溝部さんが色々作家さんの想いやコンセプトを話してくれて、一緒に迷って選んで買ったものだな〜」と、商品に新たな思い出が付加されていることに気づいた。

私たちは、「物」を買っているのではない。
「人の思いが付与された、物」を受け取っているのだ。

『y’s Rark.n3』は、それに気づかせてくれる、人の温かさでできた雑貨店だった。

取材・文=SALLiA

y’s Rark.n3(ワイズラークエヌスリー)
住所:別府市北的ケ浜町1-24
電話:0977-76-8735
営業時間:10:00〜17:00
定休日:火曜
駐車場:3台(店舗前)
HP:https://www.instagram.com/n3rark.zakka/
<キーワード>
大分県/別府市/別府/雑貨/ハンドメイド/リトリート/インテリア/アクセサリー/マルシェ/ドリンク

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