大分のおいしいネタ、抽出しました。

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「旅する服屋さん」として活動
その土地でしかできない“ものづくり”に励む


全国を旅しながら、その土地のものを使って服作りを行っていた『旅する服屋さん メイドイン』の行橋智彦さんは、数年前に別府に腰を据えると決めたそう(*•ω•*) 。“旅すること”をコンセプトに掲げる彼が旅をやめ、どうして別府に定住することになったのか。とことん真っすぐな生き方を紹介しちゃうわよ~~!!!!

別府市在住・『旅する服屋さん メイドイン』の行橋智彦さん

うま子:はじめましてっ! 何やら面白いことをしているそうだけどو 会って3秒で行橋さんの人柄の良さを感じたわ!(*•ω•*) 旅を始めたきっかけはなんだったのかしら?

行橋さん:ありがとうございます(笑)。きっかけは東日本大震災ですね。フリーで舞台衣装や映画衣装を手掛けていた時にボランティアで被災地に行ったんですよ。僕が東北に行ったのは、何もかもが壊れたこの時が初めてだったんです。だから今までの「きれい」とか、「のどか」というこの町を知らなかったんですよね。それで「こんなに変わってしまった」と嘆く地元の人たちに共感も感情移入もできず、それがすごく自分の中で引っ掛かって。まだたくさんある日本の美しいところが壊れたり、無くなってしまう前に“見なきゃ!”って思ったんです。

うま子:なるほどね~。確かに旅をしないのはもったいないくらい、日本には自然豊かで風情のある場所がたくさんあるものね! (*•̀ᴗ•́*)

行橋さん:はい。だから仕事を辞めて車にミシンと染色道具を詰め込んで『旅する服屋さん メイドイン』という屋号で旅を始めました。

うま子:お店の名前にはどんな意味が込められているのかしら? ✧٩(ˊωˋ*)و✧

行橋さん:安価な服が出回り、「服=消費されるもの」になっている現状に、ちゃんと目を向けないといけないと思うんです。それには服作りの現場を見せていくことが必要で、だから旅をしながら作ろうと決めたんですよね。そうすれば人の目に触れるし、いろんな土地のことを知ったり、いろんなものを見たりして、そこでしかできないことができるんじゃないかと思って。

『旅する服屋さん メイドイン』の看板。これを掲げて全国を旅してきたんだって! スゴすぎィ~~!

俳句を詠む人が各地を旅し、その時に得た感情を歌にするように、その土地にあるものを使って、その土地の植物で染物をし、地元の人と関わりながら服作りを行ってきた行橋さん。現在は旅をやめて別府に定住をしており、そのなかで「メイドイン大分」、「メイドイン別府」を表現して生まれたのが「温泉染」だったそう。

温泉染。初めての場所だと何色に染まるかその時までのお楽しみ☆彡

うま子:全国を移動することから、シフトチェンジをして別府に定住を決めた理由は何だったの?(ㆁωㆁ*)

行橋さん:ずばり、温泉を使った染め物づくりをしたかったからです! 何度か別府に来た時に、「メイドイン大分」とはなんなのかと考えていたんですけど、浮かんだのが温泉でした。ほかの温泉地では限られた泉源から分けられていることが多いのですが、別府は各々が独立した泉源を持っているんです。一つずつ湧いているところが違うのに驚いて! 「めちゃくちゃ面白いな!」と、そこからハマりましたね。しかも、温泉を使った染め物の、継続された文化がほとんどなくて、なおさら僕がやらなきゃ!って。

うま子:温泉って、別府の人はもちろん、大分県内の人々に欠かせない存在よね! 行橋さんが思い描く「メイドイン大分」を作り上げるために、別府へ移住を決めたってわけね~! ✧٩(ˊωˋ*)و✧

行橋さん:『旅する服屋』の第2ステージは、1カ所でどれだけできるかってこと。50年かかる覚悟で新しい文化みたいなものを作りたかったんです。

柿渋×温泉染ののれんパーツ

鉄輪あるシェアハウス『鉄輪湯治シェアハウス 湯治ぐらし』から依頼をされて制作した、柿渋の温泉染のれん完成版

アーティストの移住・制作の場として活用されている『清島アパート』を拠点にスタートダッシュを切った行橋さん。現在は広いアトリエに引っ越し、引き続き「温泉染」で試行錯誤をしながら商品化に向けて実験をしているんだって!(*•ω•*)

行橋さん:「こういう風に染めれば、こういうことができるんじゃないか」という着想をどんどん膨らませて、それを実験して、ということを別府に定住してからの4年間繰り返してきました。

うま子:そもそも「温泉染」って、温泉を使うのはわかるんだけど、一体どんなものなのかしら? (ㆁωㆁ*)

行橋さん:「温泉染」の基本は、植物×温泉。温泉につけるだけでは色味はつかないので、まず植物で染めます。そして染めたものに化学変化を起こすのが温泉なんです。

うま子:温泉ってそんなことができるのね~!(ㆁωㆁ*)

行橋さん:例えばだけど、まずベースをひとつの植物で染めたとして、そこからいろんな温泉に掛け合わせると色味が変わるんですよ。この色味の変化みたいなものを僕が「温泉染」と名付けたわけです。

白い糸を同じ植物で染め、さまざまな温泉と掛け合わせて完成したもの

温泉染展示会

うま子:別府には本当にたくさんの温泉があるから、どんな色になるんだろう!? ってワクワクしちゃうわよね。この「温泉染」を使って商品化をする予定はあるの?

行橋さん:実は、布を作りたいんです。基本的に僕が温泉染で染めているのは糸なので、織ることができるんですよ。専門の方に織ってもらって、1枚の布を完成させたいんです。例えば柄ものの布を作るとして、縦の線は鉄輪、横にある線は明礬…といった形で、布1枚で別府を表現できるんじゃないかと思って。

うま子:お土産に買って帰りたくなるような商品になること間違いなしね!

行橋さん:実現のための第一歩として、まずは工房づくりを目指しています。今までの期間は初段階の前の実験みたいなかんじで、ようやく「あ、これはできる!」っていうのがわかったので。直近では無理だとしてもまずは目の前にある、できることからこなしていこうと思っています。今は織ることはできなくてもアクセサリーとかは作ることはできるので、今は「温泉染」をした糸を使って実験的にいろいろ作っているんですよ。

温泉染アクセサセリー①

温泉染アクセサセリー②

うま子:実験段階から今やっと第一歩を踏み出しているわけだから、ほんとに長い道のりよね。そこまで行橋さんを突き動かすものってなんなの!? (ㆁωㆁ*)

行橋さん:別府=温泉っていうのはこの時代当たり前で、普通なんですよ。それはすごく豊かなことだけど、これからの時代、若い子が温泉に行かなくなったら? …温泉が潰れてしまうとそこのコミュニティがなくなってしまう。そうすると僕が「いいな」と思っていた“別府らしさ”がなくなってしまうな、と。「温泉染」がそういう時のためのアイコンとして、世界中に発信ができたらなと思ったんです。そして、環境を壊さずものづくりができたらこんな素晴らしいことはないと。

うま子:別府の良さを残すための、新しいアイコン…!! なんて画期的なアイデアなの! うま子にもその発想力わけてほしい~(;o;)

行橋さん:まだまだ実験段階ですけどね(笑)。ほんとにこれは“50年やる”って決めてスタートしているので、例えば「やせうま」って言ってみんなが「ああ、やせうまね」ってなるように、「温泉染」も「ああ、あの人がやってるね」とか、地名や商品とが繋がったりとか、みんながポジティブにそれを知ってくれているようなものにする為に、一個ずつ着実にやっていこうと。そのために時間はいくらでもかけようと思っています。

ワークショップも行っているんだって(*•̀ᴗ•́*)و

ワークショップ②

うま子:「温泉染」を通して伝えたいことはある? (*•ω•*)

行橋さん:“循環のなかでのモノづくり”と、ローカルに小さいところで“そこでしかできないもの”を作っていきたいんですよね。話すと長くなるんだけど、そもそも「温泉染」の時に使った染液は植物と温泉がベースで化学薬品を使わない分、極端な話そのまま河に流せたり、土にまけるんですよ。それが50年くらいかけて地下のマグマ溜まりで温められて、また温泉として湧いてくると思うと面白くないですか?

うま子:雨も同じよね! 面白い仕組みでできているわよね~!

行橋さん:土に染み込んで、いろんなものを経由・吸収して、ただのお湯じゃなくていろんなミネラルや金属物質などが含まれた温泉として、個性をもってもう一回湧いてくるっていうこのサイクルで“循環のなかでモノづくり”ができるんじゃないかと思ったんです。その熱源のエネルギーも別府のあの湯けむりの元となっている温泉のスチームを使っていけたら、エネルギーまでが別府で、植物は今は輸入しているものもありますけど、これから大分で育てる可能性もあるだろうし、大分っていろいろ農産物もあるから、そういうものを染料にするっていうのも面白いと思うんです。そういうことを実験していきたいですよね。

温泉染の様子

温泉染の様子②

うま子:実験していくなかで新しい発見もあったりするわけよね! 楽しみが尽きない!

行橋さん:はい。「明礬の温泉を使ったら鮮やかな色になる」「鉄輪だと黒っぽくなる」みたいな、“エリアでこういう色になる”っていうのがあるんじゃないかなって思ってたんですけど、全くそんなことなくて(笑)。同じエリアでも全然違う色になるんですよ。

うま子:ええ~~エリアじゃないんだ! 意外すぎる!!

行橋さん:別府の温泉の色をだしているわけではなくて、温泉自体に含まれている成分など見えないものを可視化して、それがうまいこと融合していけたら、すごくいいなと思うんですよ。人間もそうだと思います。別府はすごく国際色豊かな土地ですけど、そういう人たちが肌の色関係なく、個性という人間性でゆる~く交わっていけたらいいじゃないですか。実はすごいエネルギーが地下に埋まっている土地だと思うんですよ。温泉やスチーム、自然も豊かだし…。こういうエネルギーとか、土地にある宝物を違う形で世の中に見せやすくしてあげるっていう。

うま子:カッコいい…!! うま子もこのwebサイト「OITA DRIP.」の良さをもっといろんな角度から伝えていきたいなぁ(*•ω•*)

行橋さん:うま子さんも頑張りましょう! 話しの続きになりますが、言葉や写真はすごく有効的だけど、大分といえば温泉県なのでその温泉が“色”として可視化されて、人に伝わりやすいものとして出すときに、これからの地球環境だとかそういうものが話に上がる中で、「温泉染」はアイコンとしてもすごく使いやすいと思っているんですよ。「そのまま水に捨てることができて、それがまた循環して戻ってくるんだよ~」みたいな、そういう話を子どもとかにもできるだろうし。世界へ発信できる強みがすごくあるんですよ、別府には。

うま子:別府の魅力は無限大ってわけね! フゥ~~!! 「OITA DRIP.」の魅力も無限大ってね!! フゥ~~~~!!!!うま子、ワクワクすっぞ!!(※うま子はOITA DRIP.の回し者だよ☆彡)

行橋さん:その土地の、そのままの形を生かすやり方でやっていきたいですね。大切なのは、そこでしかできなっていうこと。それが面白いと思うんですよ。僕が目指す一つの布は、地図にしたいって思っているんですよ。温泉染はある種の地図だと思っています。道がクロスしていくっていうか、縦と横が合わさって、それが折り重なって布になるわけだから。
糸一本がその土地って捉えられるならば、それが往来して層になって、そうやって町が作られていって…というのをみると、その布は地図みたいになるんじゃないかって。それは今を表している地図といえばそうだし、さっき話した循環の中で50年後とか、今湧いている温泉は50年前のものということになるから、そういうのを考えると過去・現在・未来が全部繋がって見えるし、いま僕らがどうやって生きていくかみたいなことが未来に直結しているんだと。どうやって生きていくかっていうことを僕自身も考えながら、一歩ずつちゃんと丁寧にやりたいなと思っています。

これからも行橋さんの挑戦は続く!

うま子:「温泉染」が日本から世界へ羽ばたく日が待ち遠しい!! 行橋さんの今後に注目だね☆彡 さてさて、次はどんなワクワクに出合えるかな!? 次回もおったのしみに~~! ☆彡

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