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別府駅から車で6分ほどに位置する『ALLCELL オウルシエル』と出会ったのは、Instagramだった。無駄のないスタイリッシュな写真の数々に、思わず目が釘付けになったのだ。

思わずプロフィールに飛んでみると、なんと整体のお店だという。整体といえば偏見かもしれないが、施術用のベッドが並ぶ無機質な空間か、雑多な空間をイメージしてしまうが、そこに並んでいた写真の数々は、そんな今までの概念を崩すには十分なオーラを放っていた。さらにInstagramの投稿を読み進めると、プロフィールには施術家、芸術家というワードが並んでいる。気になって仕方がないので、早速行ってみることにした。

木を基調としたおしゃれな外観が目に入り、扉を開くと、美術館のように洗練された空間が広がっている。出迎えてくれた代表の藤吉さんは、柔和で思わず心を開きたくなるような不思議な雰囲気を持っている人だった。2020年8月8日にオープンした『ALLCELL オウルシエル』だが、その道のりはまさに「内なる声」に耳を傾け、不思議な導きを感じるような運びだったという。

最初からビジョンが見えて動いていたわけではなく、思い立ったタイミングでたまたま自身のコンセプトにピッタリな物件と出合い、あっという間にオープンまで漕ぎ着けたのだそうだ。「子どもの頃、母に背中をさすってもらうのが好きで、「手当て」という言葉の通り、手で触れ、「癒し」や「安心」を生み出す仕事をしたいと思ったのがきっかけでした」

リラクゼーション店での勤務から、3年で独立した藤吉さん。リラクゼーション店で勤務していた頃は多い時、1日で10人施術をする日もあり、武者修行のように、毎日体と向き合ってきた。そんな経験を通して、今はマンツーマンでじっくり向き合う中で、とにかく「癒すこと」を第一に考えているという。

「一人一人の性格が違うように、体ももちろん違います、体の大きな人が意外とさするだけで解れたり、思考の仕方によって、体への影響も変わってきます。また施術後に、意外な悩みを吐露していただくこともあったり、体を癒すことで内面にも影響が生まれ、自己開示による癒しにも繋がるのだなと実感しています」

整体にやってくる人は、基本「疲れている」。だからこそ、最初は「早くしてよ!」とイライラしているお客さんも、施術後には体だけでなく心も解れて、第一印象とは違う顔を見せてくれることも多いという。確かに「整う」ということは、疲れによってトゲついた体と心を丸くし、本来の自分を思い出させるということなのかもしれない。

さらに店内に並んだインテリアは素材までこだわり抜き、ワイヤーアートは自身で制作までしているというから驚きだ。

「空間も人も、違和感を見つけて修正して整えていくという意味では共通点があると感じています。インテリア、整体、提供するコーヒーなど、複合的に見ていくと視野も広がりますし、表裏一体な部分も実はたくさんある。そういう複合的な”癒し”を、これからも追求していきたいですね」『ALLCELL オウルシエル』に存在するすべてのものに、藤吉さんの感覚から導き出される答えを楽しむ姿勢が反映されていた。

「子どもの頃から人とと周波数を合わせるのが得意だったから、この仕事に就いているのかもしれません」そう語る藤吉さんは、手の力は抜かないけど、肩の力が抜けている不思議な「癒し人」だった。

取材・文=SALLiA

ALLCELL (オウルシエル)
住所:大分県別府市石垣西3-2-21 Domus Ishigaki E-01
電話:080-9893-8305
営業時間:9:00〜20:00
定休日:火曜
駐車場:2台あり(道路側より1台目、2台目)
HP:https://allcell.salon
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