大分のおいしいネタ、抽出しました。

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前回に続いて、今回も舞台は湯布院。

「アシスタントお松のうつわにきゅん♡」略して「うつきゅん」(社内でいつのまにかそう呼ばれていました(笑))初となる、うつわ作家さんの工房にお邪魔しました!

作家さんの工房に伺うこと自体が初めてのお松。
わくわくを胸に訪れたのは、由布山のふもとにある林裕司さんの工房『蛟龍窯(こうりゅうがま)』です。

林さんは熊本の小代焼ふもと窯・井上泰秋氏のもとで修業を積み、2005年に湯布院で開窯。
県内外さまざまなところで出展されており、今年5月には前回ご紹介した『HAUS』さんでも個展をされていました。

弊社内にもファンがいますし、以前Dripでもご紹介した「燭台型一輪挿し」や「アラジンポット」など、個性的なフォルムの陶器が以前から気になっていたんです…!
取材のご依頼をすると、快く受けてくださいました。

坂道をしばらく上った先、田んぼに面した静かなロケーション。緑に囲まれていてとっても素敵…!こんなところに住んでみたいです

ちょっぴり緊張しながら扉を開けると、穏やかな雰囲気の林さんが迎えてくださりちょっと安心…(笑)。

今は展示会、受注、取扱店舗での販売が主で、こちらでの販売は少ししかされていないそうですが、工房内にはさまざまなサンプルや素焼きの状態の作品などが所狭しと並んでいました。

普段は見ることのできない、まさに創作の場という雰囲気にわくわく!

まずは気になった方も多そうな『蛟龍窯』という名前について伺いました。

「蛟」という漢字は初めて見たのでどういう意味なのか尋ねたところ、「これは“みずち”と読み、1000年修行するように生きると龍になるという伝説の生き物なんです」と林さん。
湯布院にもその伝説が残っており、それが名前の由来のひとつになっているそうですよ。

林裕司さん。関西出身のお松にも分かるよう、湯布院の歴史などを丁寧に説明してくださいました

福岡県の門司に生まれ、大分で育ち、熊本で修業をされていた林さんが湯布院で窯を開いたのは、湯布院の地理や文化、町おこしのあり方に魅力を感じたところが大きかったとのこと。

特に由布院盆地の町おこしの祖・中谷健太郎さんが提唱した「対立的信頼関係」、つまり異質なものどうしがせめぎあい、尊重しながら信頼関係を築いていく、そのプロセスこそが大事なのだという考え方を、焼き物に取り入れたいと感じたのだとか。

以前はそれまでの自分や事々を否定しながら前に進んでいたけれど、ここで窯を開いてからはすべてを取り込んでいます。その方が面白いし、自分がいい意味で“肥え太っていく”んです。」

それぞれ違うものどうしが、違うままで受け入れあう…そんな土壌のある湯布院に窯を開いたからこそ、今の林さんのうつわづくりがあるんですね。

表情豊かな作品たち。一度にたくさん拝見することができ眼福でした

そんな林さんが手がける作品は、本当にシンプルなものから、まるでアートピースのように特徴のあるフォルムのものまでさまざま。
ですが意外にも「飾る用のものは作っていない」と林さんは言います。

例えばポットを作るときには、重すぎないか、持ちやすいか、水切れがいいか、注ぐときにふたが落ちないかといったことに配慮するなど、使いやすさをとても大事にされているそうです。

それは創作活動にとってある種の制約にもなりますが、その中でどんな形にするのかを考えるのが面白いのだそう。

小代焼や大分の小鹿田焼など、日常使いのうつわにルーツを持っていらっしゃるからこその考え方に、ますます林さんのうつわを使ってみたい気持ちが高まりました…!

実際に見たフランスのモンサンミッシェルが、大好きな由布山に見えたことに着想を得た「アラジンポット」など、さまざまな作品が。こちらでは今回このポット類は販売されていなかったため、お松も今度展示会に伺おうと思います

使いやすさというところにもつながりますが、特に印象的だったのが取っ手についてのお話。

「僕は取っ手が好きなんですよ」という言葉を聞いて工房を見渡すと、たしかに取っ手のついた作品がたくさん!
花瓶など少し意外なものにもついているのですが、不思議とどれも違和感がないんです。

それもそのはず、林さんが目指されているのは“握ったら握り返してくるような”取っ手。
まるでうつわ本体から自然と生えたものかのように、持った時にフィット感があって気持ちがいい…そんな使い心地を大切にされていらっしゃるそうです。

この日の取材中も、写真の撮りやすさを気にしてくださったり、お茶とお菓子を用意してくださっていたり(すごくおいしかったです!ありがとうございました!)、私が通ろうとしたドアに毛虫がついていたのをスマートに追い払ってくださったり…(笑)。

林さんの優しさや気配りを随所で感じて、お話の内容がとても腑に落ちたお松なのでした。

入ってすぐのディスプレイコーナー。見返してみればここにも取っ手つきのものがたくさん!

「焼き物は理屈じゃない」
使う人のことをとことん考えた先にできあがるもの、まさに“用の美”を追求する林さんの作品は、前回ご紹介した『HAUS』さんや日出町の『loopthings』さんで購入することができます(※入荷状況は要確認)。

また、『HAUS』さんで8月24日(日)まで開催中(14日(木)、21日(木)を除く)の「豆皿展」にも参加されるほか、大分では毎年11月頃に大分市のトキハ本店7階で個展があり、今年(2025年)は11月1日(土)から11月9日(日)までの予定です。
こちらもぜひ休日に訪れてみてくださいね。

蛟龍窯(こうりゅうがま)
住所:由布市湯布院町川上884-3
電話:0977-84-3958
営業時間:10:00~17:00(※訪れる際は事前に連絡を)
定休日:不定
駐車場:4台
HP:https://www.instagram.com/kouryugama.yujihayashi
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