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こどもと一緒に新天地へ 2組の家族に見る移住のかたち【大分(だいぶ)、変わる おおいた移住・・Dive to Change・・⑦】
この記事の目次
自然の中でのびのび過ごす
娘たちの笑顔が日々の原動力
まず初めにお話を聞いたのは、2023年に千葉県から一家そろって移住した増渕智海さんファミリー。彼女の勤め先となるワインバー『I SETTE MARI(イ・セッテ・マーリ)』に向かうと、ご主人の雄一さんと2人の娘さんも一緒に出迎えてくれました。カウンターの奥でグラスを磨く智海さんに住まいを移した理由を尋ねてみると、総支配人として地域のカップルの披露宴を数多く手掛け、後にこの場所を開業した2歳上の姉・七海さんの存在が大きかったとのこと。
初めて臼杵の地に智海さんがやってきたのも、お姉さんが手掛けるブライダル会場『KIJOKAKU』のオープニングイベントだったと振り返ります。その後、お姉さんが独立。バーの経営をはじめ、開店1周年などの節目に智海さんの明るい性格を知るお姉さんから声が掛かり、サポートのために家族で臼杵市へ。そこで地域の人々の温かな人柄に触れた智海さんは、少しずつ移住という選択を思い描くようになったと語ります。さらに臼杵城跡から放射線状に伸びる城下町エリアや、臼杵湾を囲む海エリア、肥沃な大地が広がる山エリアなど、このまちの豊かな風土に感激するこどもたちの様子が母親として嬉しかったそう。
そしてお姉さんの猛プッシュにも背中を押され、まずは各地方自治体が移住希望者向けに数日~数カ月単位で地域の住宅を貸し出す「おためしハウス」の申し込みを決心。5日間の利用後、心を固めた智海さんはすぐに雄一さんに今の気持ちを打ち明けたと言います。「主人は優しい人なので、私の考えを尊重してくれました。“行きたいなら良いよ”と背中を押してくれたことが嬉しかったですね。実は私には持病があるのですが、“お前がそこで頑張れるなら家族で行くよ”とも話してくれて」。
東京で生まれ育った雄一さんも当時を思い返し、言葉を続けます。
「その提案を聞いたとき、何の違和感も迷いもなかったです。何度か家族で臼杵に行き、良いところだと思っていました。自分は元々どこでも暮らせる性格ということもあって。だから僕らの場合は、移住する・しないの議論はせず、夫婦間でしたのは臼杵に行くための前向きな話し合いだけです」。
仕事やこどもたちの学校といった問題を解決させ、新たな住まいを見つけるまでにかけた期間はたった2カ月。ほとんどの荷物を手放し、車1台でこの地にやってきました。「臼杵に来て2年目になりますが、人がのんびりとしているところが私は好きですね。どこに行っても人混みがないのが良いですし、星がきれいなので空を見上げることが家族全員増えた気がします」。さらに智海さんが感じる1番の変化はこどもたちのこと。
「以前は登園時間ギリギリまで家で過ごすことが多く、帰宅後はゲームをすることがほとんどでした。だけど今は学校が楽しい!と自ら朝7時過ぎには家を出て、帰ってくるなりランドセルを投げ捨て友だちのもとに走っていくんです(笑)。引っ込み思案だった性格が明るくなり、積極性も出てきてどうしたの!?と。学校の先生も良い方ばかりで恵まれていると思います」。
そして最後に、智海さんからメッセージ。
「私の場合は移住先に姉がいたため、事前にいろいろな情報をもらうことができました。だけどきっと、現地に知り合いがいない方がほとんどですよね。特にこどもがいる場合は転校先の学校など心配なことが多いと思います。でもあまり気負わないでください。移住先ではこんな子育てをする、あれもこれもしてみたいとか、理想の暮らしを思い描くかもしれませんが、ハードルを上げない方が意外とうまくいくこともあると思います」。
<移住者メモ>
お名前 | 増渕智海(ますぶち ともみ)さん |
出身・前住所 | 千葉県 |
現住所 | 大分県臼杵市 |
職業 | バー勤務 |
年齢 | 36歳 |
家族構成 | 夫、こども2人(小学5年生・4年生) |
増渕家に聞いた、臼杵市のおすすめスポット
①臼杵市観光交流プラザ
“臼杵を訪れる観光客が最初に立ち寄る場、市民も集い交流できる中心市街地のにぎわいの場”をコンセプトに2014年5月に誕生。娘たちが学校の宿題をする際によく利用させてもらっていて助かっています。
②さしう浜公園
臼杵市佐志生にある海沿いの公園は家族全員が大好きな場所です。海の水が透き通っていて、砂浜もとてもきれい。娘はそこで石や貝殻を拾うだけでも楽しいようで、親としてうれしくなります。
わが家のペースを大切に
身の丈に合った暮らしを選ぶ
続いて訪ねたのは、山口県下関出身の都築秀平さんと伽羅(きゃら)さんご夫婦。4歳、3歳の小さなお子さんを育てる2人は、空き家バンクを通じて物件を購入し、2024年8月から新たな生活をスタートさせています。
現在32歳となる秀平さんと、臼杵市との出会いは約14年前。船舶内の電装工事を担い、造船産業の活性化に貢献する企業に就職したことがすべての始まりでした。専門性が求められる仕事は出張が珍しくなく、古くから船の出入りが多くあったこのまちを秀平さんは頻繁に訪れていたそう。滞在期間は1~2カ月、時には1年に渡ることもあったとのことです。ですが高校を卒業して間もなかった当時の秀平さんも、まさか時を経て自らがこの地に家を構えるとは夢にも思わなかったはず。
「臼杵の第一印象は、ずばり“田舎”ですよね(笑)。マクドナルドの1店舗目がまだ建設中で、最寄りのコンビニに行こうにも車で10分、しかも24時間営業じゃないからびっくりしたのを覚えています。出張中に利用していた民宿の場所は、臼杵の東端にある下ノ江という地域だったので夜になると真っ暗。住むなんて考えもしませんでした」。
現在は隣接する大分市へのアクセスも良く、スーパーやホームセンター、病院など、暮らしに必要な場所がコンパクトにまとまる臼杵市。けれど14年も前となると、当然街並みは現在とは異なります。ではなぜ今、都築家はこの場所に?
その問いかけに、秀平さんはストレートに答えてくれました。
「僕たち家族がこのまちに暮らすのは、他の移住者の方が理由として挙げる、自然に惹かれたとか、地域の人が温かいとか、そういった要素は少なくて…。この場所に仕事があったから、それだけなんです」。
秀平さんは船舶電装業に従事しながら、三重県で独立。その後、昔の仕事の関係で臼杵市に単身できて、仕事が軌道に乗り始めたタイミングで移住を決意します。伽羅さんもしばらくは地元でこどもたちと過ごしていたものの、秀平さんと共に臼杵への移住を決心。伽羅さんもその考えに迷いはなかったと話します。
「仕事をするなら好きなことをした方が絶対に楽しいじゃないですか。彼が良いと思う仕事ができるならそれが一番で、自分もついていこうと思いました。それに私たちは地元が下関市なので、三重県にいた頃に比べると実家が近くなるんです。不安に感じることは特にありませんでした」。会社員時代と同じく民宿で過ごしていた秀平さんは、早速家探しをスタート。伽羅さんの意見も取り入れつつ、今の家にたどり着きました。
「当初、自分は今の家よりも、山の方にある地域の平屋を検討していました。車が趣味なのですが、そういう場所の方が自由に楽しめると思って。だけど奥さんに相談をすると、外灯がないから夜になると怖い。娘もいるから安全面も考えて。虫もいっぱい出るんじゃない?と言われて(笑)。結果的に、生活に必要な施設やお店が近い、比較的臼杵の中心地に住んで正解だったと思っています。娘の病気のこともあり、こどもが大きくなってくるとなおさらそう感じますね」。さらに臼杵市では2023年より、0〜5歳までのすべてのこどもの保育所・認定こども園などの無償化がスタート。伽羅さんも子育て支援の手厚さは実感しているようで、「待機児童の問題もなく、引っ越し後すぐに上の子の預け先が見つかりました」とうれしそう。さらに定住促進住宅取得補助金の活用により、新居にまつわる費用を大幅に抑えることができたと語ります。
臼杵市への移住と一口に言っても、その実態は家族によってさまざま。
夫婦2人がお互いの落とし所を見つけ、意見をすり合わせた先に見つけた新たな暮らしは、お子さんの成長と共にさらに楽しみが広がっていきそうです。
<移住者メモ>
お名前 | 都築秀平(つづき しゅうへい)さん |
出身・前住所 | 山口県 |
現住所 | 大分県臼杵市 |
職業 | 船舶電装業 |
年齢 | 32歳 |
家族構成 | 妻、こども2人(4歳・3歳) |
都築家に聞いた、臼杵市のおすすめスポット
①臼杵市多世代交流館 のつてらす
廃校となった大分県立野津高校の建物を再活用した場所。室内にはこどもたちが遊べる遊具や休憩スペースがあり、無料で利用できるのがうれしいです。室内なので天候を気にすることなく過ごせ、夏でも涼しいところも助かります。
②鳥料理 ゆふ
予約をしないと入れないことも多い、臼杵市で人気の鶏料理店。家族で何度か行きましたが、名物の鶏ももステーキ“ゆふ焼き”のおいしさにはびっくりしました! 古民家のようなお店の雰囲気も気に入っています。
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大分県には、全国各地から様々な移住者の方が集まっています。
この連載記事では、それぞれの移住のきっかけや、今の暮らし、移住してよかったこと・こまったこと、今後のビジョン、住んでいる各市町村の支援情報など、移住者のリアルを取材していきます。
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