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大分県には、全国各地から様々な移住者の方が集まっています。
この連載記事では、それぞれの移住のきっかけや、今の暮らし、移住してよかったこと・こまったこと、今後のビジョン、住んでいる各市町村の支援情報など、移住者のリアルを取材していきます。
運営:大分県
制作:おおいたインフォメーションハウス株式会社

「大分(だいぶ)、変わる おおいた移住・・Dive to Change・・」とは?
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<移住者メモ>

お名前 浅野 千愛 (あさの ちひろ)さん
出身地・前住所 東京都練馬区
現住所 国東市国見町
年齢 38歳
家族構成 小3の娘さんと2人暮らし
職業 国東市観光協会 https://visit-kunisaki.com/
インスタグラム 国東市観光協会 https://www.instagram.com/kunisaki_tourism/

2年という時間の区切りを設け、
理想とする移住先をさまざまに模索

-まず初めに浅野さんが移住を考えたきっかけを教えてください。
私は東京都練馬区で育ったのですが、両親の生まれも同じなので自分には“田舎のおじいちゃん、おばあちゃんの家”という場所がなくて。だから帰省の話をうれしそうに話す友達をいつもうらやましいと思っていました。そして実際に移住をしようと決めたのが離婚した30歳のとき。結婚後はこのまま関東の都会に住み続けるんだろうな…と考えていたのですが、離婚を機に「これからは好きな場所に住むという選択が自由にできる!挑戦のタイミングだ」と前向きに考えました。

-移住の準備期間はどのくらいでしたか?
約2年です。移住をしたのは2020年なので、今年で6年目になりますね。そしてなぜ準備期間が2年だったのかというと、母から“三つ子の魂百まで。3歳になるまでは家(実家)にいた方が良い”というアドバイスをもらったからです。娘が3歳になるまでの間に移住先を探そうと動きました。ですが、初めは右も左もわからない状態。そこでまずは直近で開催される移住フェアに足を運んでみることにしました。そうすると偶然、最初に参加したフェアが国東市だったんです。

-初参加のフェアで心が決まったということですか?
全くそんなことはなかったです(笑)。当時の私は足を運んだ先のフェアが移住先の候補になる・ならないという結果に関係なく、まずは“行ってみること”が大切だと考えていて。だから九州はなんとなく、選択肢にはならないだろうなぁ…と思っていました。ですがその後も北海道から鹿児島、離島のフェアなどにも参加してみるものの、ピンとくる地域がなくて。そうしているうちにまた国東市のフェアと出会い、あれ?面白いぞって。

-なぜ1度目と2度目のフェアで受け止め方が違ったのでしょうか。
移住をする上で大切にしたい条件が、自分の中で定まっていたか、いなかったかの違いだと思います。月日がたったからこそ気づけたことは多く、例えば移住先には海と山の両方に加えて、温泉、その土地特有の歴史、継承されているお祭りなどがあるとさらに暮らしが面白くなりそうだなとか。あとはその県の中心市街地への移動が1時間以内で、東京へのアクセスの便利さも条件でしたね。そして、それらの条件と国東市を改めて照らし合わせてみると、私の理想にすごくハマっていて“住めるかも!”と思いました。また、“地域おこし協力隊を移住の入り口にしたい”という考えもあり、募集があったところもポイントになりました。全く知り合いがいない土地であっても、地域に密着した活動を仕事にすることで人との繋がりを築いていけそうだと思いました。

-ほかにも候補地はありましたか?
実は福島県も候補で、二択の段階まで来ていました。しかし、参加するはずの福島の移住ツアーが台風で中止になり、結果的には国東の一択になってしまいましたね(笑)。

-参加の延期は考えなかったのですか?
期限を決めていたので、先延ばしにするという選択肢はなかったです。再びツアーの開催を待ち、そこからまた先何年も移住のことを考える…という気持ちになれませんでした。もう、ここまできたら勢いですよね。当時娘が通っていた保育園は0〜2歳児を対象とする小規模園だったため、移住が先延ばしになるとまた保育園を探さないといけなかったこともあり。あの厳しかった保活をまた経験するなんて私には無理。そんな理由もあり、新たな保育園選びが必要になる前までには、絶対に移住地を決めようと考えていました。

-決断された後、実際に国東へ下見にも行かれたと思います。その際にも決め手になった出来事はありますか?
1泊2日で国東を訪ねたのですが、そのときに私と同じ東京出身の方が営むゲストハウスに泊まることができました。移住前に同じ境遇の方の話を聞くことができたのは安心に繋がったと思います。地域おこし協力隊の方とも会うことができ、新たな土地での生活を本当に楽しまれていたので背中を押されました。

新たな土地、人との出会いが
自らの成長の架け橋となる

-今振り返っても、6年前が移住のタイミングだったと思いますか?
そうだと思います。私はもともと行動力があるタイプではないんです。でも人生っていろいろと気持ちが落ちてしまうこともあるじゃないですか。そんなときにこそ、希望を見つけたい、楽しく生きたいなって考えて始まったことでしたから。
それに以前の自分の周りには中高時代からの友達がいて、家族の仲も良かったので外に知り合いを広げようなんて考えたこともありませんでした。でも移住という選択をして、一度外に出てみたらいろいろな人の価値観に触れること、知ることの面白さを実感して。自分の固定概念がどんどん崩されていく感覚が楽しいですね。

-2020年2月の移住ということは直後にコロナ禍に?
コロナが蔓延する直前のタイミングでした。もしも先延ばしにしていたら、国東に来ることはできなかったと思います。結果的に娘も自然豊かな環境で伸び伸びと過ごすことができて良かったと思っています。

-地域おこし協力隊を移住の入り口にする、という希望もかないましたね。
最初の3年間は地域おこし協力隊として働き、主に空き家バンクや移住の担当をしていました。さらに市内には高齢の方々の暮らしの困りごとを解消する“支え合いの会”という活動があるのですが、そこで行われるイベントのお手伝いをすることも。国見町で活動する作家さんの動画撮影や、田んぼで古代米を育てたりもしました。田植えは私がやってみたかったことの1つだったので、うれしかったですね。ほかにも潮干狩りと蛍を見ることが夢でしたが、移住からわずか1年で全てを体験できたことに驚いています。

-実際に経験してみていかがでしたか。
蛍には本当に感動しました。国東市には空にも地面にも蛍が舞う、宇宙のような場所があるのですが、私の両親を案内した時もとても喜んでくれて。潮干狩りでは、娘と一緒にマテガイ掘りに挑戦して楽しかったですね。

地元のグルメを紹介するのも観光協会の大切なお仕事

-東京とのギャップに驚いたことは?
出先から職場に戻ると、自分の席に大根が座っていたことがあります(笑)。ほかにも仕事先でミカンをもらい、服のポケットいっぱいに詰めて帰ったり。協力隊の頃は特に行く先々で「あんた、これ持っていきよ!」と声を掛けてもらい、国東の人たちの優しさを感じました。

-地域おこし協力隊の仕事が、地元の方々との繋がりを深めるきっかけになったのですね。
そうですね。国東市内の道を覚えるきっかけにもなりました。空き家バンクを担当していると、現地まで物件を見に行きますよね。すると普段の生活では絶対に通らない、谷の奥まで車を運転しないといけないことがあって。しかも効率よく家々をまわるルートも考えないといけないので、道にはかなり詳しくなりました。

-娘さんは現在の暮らしをどのように感じているのでしょうか。
“東京に住みたい”なんて言うこともあります(笑)。実は娘には東京の記憶がほとんどありません。移住して間もなくコロナ禍になり、2年間は実家に戻っていなかったですし、何より幼かったので。だけど彼女が3歳で移住し転園したときは“住む場所を変えることで、こんなにも子どもにとって良い環境に出会えるんだ!”と感動しました。以前は小規模園だったため園庭はなく、小さな教室でいつも子どもたちが過ごしている状態。それなのに国東に来たら、こども園のすぐ目の前は海。グラウンドも広くてプールもできて、最高に楽しく過ごせていましたね。

-娘さんの今の環境は、浅野さんが子ども時代に憧れていた理想そのものですよね。
本当にそうですよね。でも今は東京と国東それぞれの良いところを知りながら育ってくれたらうれしい。親としてそう願っています。

-子育てをする上で苦労したことはありますか?
保育園時代は全く不便を感じませんでした。自然に囲まれた豊かな環境が、娘の運動能力を伸ばしてくれたと思っています。小学生になった今は、例えば習い事の問題。何か競技をするにしても選択肢が少なく、集団スポーツならそもそも人数が集まらないということがあります。

ないものは数えず、
あるものを楽しみ生きる

自宅のDIY風景。ペンキ担当は娘さんも

-理想とのギャップを受け、帰りたいと思ったことは?
一度もありません。周りの人たちの影響もあると思いますが、移住され暮らしを楽しんでいる人たちはみんな“ないものを数える”ということをしません。価値観の問題もありますが、この考え方が移住のポイントだとも私は感じていて。以前の暮らしと現状を比べ、ないものを数えている人は新たな土地に馴染むことも難しいと思います。

-今は古民家も購入され、浅野さん自らDIYをしているそうですね。
移住2年目となる2022年に平屋の古民家を買い、今もDIYを続けています。購入のきっかけは空き家バンクです。ある大家さんから所有する家を「いらんかえ?」と言われて。協力隊は家賃補助があるので当時はアパート住まいでしたが、昔から平屋暮らしに憧れていたこともあって、前向きに考えることにしました。築年数が65年以上と古く雨漏りの修繕箇所もあり、床もボロボロなところがありましたが、家の雰囲気がすごくステキで。

-迷いはなかったですか?
買うと決めた後も、本当に良いの?と不安になるマリッジブルーのような時期がありました。だけど最終的に今の家に決めた理由は、近隣の方々との関係性にあります。空き家バンクを担当していたので、家選びをする上で一番大切なことは、物件そのものの状態重視より“人”だとわかっていたからです。購入後は大工さんに改修してもらい、できるところはDIYをしつつしばらくアパートと行き来する日々でしたが、2023年の4月に娘が小学校に入学するため、その前に校区変更をしようと改修を頑張り、同年2月になんとか引っ越しができました。

-これからの目標を教えてください。
プライベートで言えば、家のDIYをもっと進めたいと思っています。仕事では国東半島のより良い観光、持続性について考える日々です。旅行会社に勤めていた頃は“送り出す”という立場から観光業に携わっていましたが、今の仕事は“受け入れる”立場。通じるものはあれど性質は異なるため、自分の経験をどう活かすべきか模索中です。

-浅野さんの思う国東市の魅力は。
国東市内の景色や穏やかな雰囲気が好きですね。辺りの空気も波も、全てが優しく感じます。あとは遮るものが何もなく、空や海、山や田んぼが視界全体にダイナミックに広がる田舎特有の感じが素敵。都会だとビルの合間でしか空は見えないですから。食べ物も新鮮で、1食分がすべて地産で完結していると“贅沢だな”と感じています。

-最後に移住を検討中の方にアドバイスをお願いします。
移住に興味があるなら、全員移住してみたら良いのに!と思います。大切なのは、ないものを数えずあるものを数えること。これまで移住を検討されている大勢の方と関わってきましたが、ものごとを引き算で考える人は家探しも一向に終わらない傾向にありました。その場所をどんどん理解して受け入れていくことができれば田舎暮らしはとても楽しいですよ。積極的にコミュニケーションをとるのも大切だと思います。

浅野さんとの会話の中で印象的だったのは、“ないものを数えるのではなく楽しむ”というものごとの捉え方。もしも移住に悩み立ち止まる原因のひとつが“期待値からの引き算”なら、その計算を一度リセットしてみると良いのかもしれません。

浅野さんに聞いた、国東市のおすすめ3スポット

①旧千燈寺跡

かつては六郷満山の中核をなす寺院として栄えた古刹で、廃寺になった今でもその趣を感じることができます。山門跡に残る一対の仁王像や、1000基を超える五輪塔群など見どころがたくさん。静寂という言葉がぴったりの場所です。

旧千燈寺跡(きゅうせんとうじあと)
住所:国東市国見町千燈
電話:0978-72-5168(国東市観光課)

②両子河原座
お蕎麦も美味しいのですが、天むすは地元の両子米のお米が使われていて、サクサクにあがったとり天ははみ出る大きさ。程よい塩気があり、お米、海苔、とり天のバランスが最高です。両子寺のすぐそばにお店があるので、参拝とあわせて立ち寄っていただきたいお店です!

両子河原座
住所:国東市安岐町両子1594-1
電話:0978-64-6305(両子河原座)

③ 黒津崎海岸

私の職場である国東市観光協会の目の前に広がる、黒津崎海岸も大好きな場所。海も砂浜も本当にきれいで波も穏やか。移住してきたばかりの頃は、たくさんの人で溢れる東京の海との違いに驚きました。見ているだけで心が落ち着きます。おしり岩も可愛いですよ。

黒津崎海岸(くろつざき)
住所:国東市国東町小原
電話:0978-72-5168(国東市観光課)
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大分県/国東市/移住/田舎移住/おおいた暮らし/観光協会/
〈国東市関連サイト〉
●移住応援給付金
https://www.city.kunisaki.oita.jp/site/ijyu/2024ouenkyufu.html
●移住支援金
https://www.city.kunisaki.oita.jp/site/ijyu/ijuushienkin.html
●Uターン支援住宅改修補助金
https://www.city.kunisaki.oita.jp/site/ijyu/uturn.html
●空き家バンク補助金
https://www.city.kunisaki.oita.jp/site/ijyu/akiyakatsuyou.html
●ペーパードライバー卒業応援補助事業
https://www.city.kunisaki.oita.jp/site/ijyu/paper-drive-kosyu.html

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