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ミュージカル界で大活躍の安部誠司さん。唯一無二の個性、そして素晴らしい歌唱力にも定評があり、途切れることなく大舞台で活躍し続けています

私が安部さんとはじめてお会いしたのはもう15年以上前。東京日比谷にある「帝国劇場」の楽屋でした。

こちらが『帝国劇場』の入口。略して「帝劇」。観劇の後にここで写真を撮る方が多いんです

「レ・ミゼラブル」や「ミスサイゴン」などの大型作品が上演され、役者ならみんな憧れる劇場です。因みにこれは「千と千尋の神隠し」を観劇した時に撮影しました。
当時、お友達が出ていたミュージカルを観劇した後、楽屋へ挨拶に行ったところケータリングに大分銘菓「ざびえる」が大量にあったのを目ざとく発見!「これは誰からですかー?」と聞きまくったら名乗り出てくれたのが安部さんだったのです。

みなさんお馴染み「ざびえる」の箱(笑)他県の方にお渡しすると、まず箱のゴージャスさに驚かれます

「同じミュージカル界にまさか大分県出身の方がいるなんて!」と話に花が咲きまして…それから一度も共演したことはないのに、今でも仲良くさせていただいています。まさに「ざびえる」が結んでくれた素敵なご縁!「ざびえる」に感謝です♡

今でこそミュージカルの世間での認知度は上がって来ましたが、同年代の安部さんや私が学生の頃はミュージカルの情報はほとんどなく、特に大分では全くと言っていいほどミュージカルの情報はなかったんです。皆さんに知られていたのは「宝塚」と「劇団四季」くらいだったかと思います。

そんな中、一体安部さんはどうしてミュージカルの世界で生きていくことになったのでしょうか?

安部さんは大分市坂ノ市の出身で当時ご実家は旅館をされていたのだとか

「子どもの頃から歌が大好きでよく歌っていたんです!」と安部さん。鼓笛隊、合唱などもされていたそうですよ。

今の活躍っぷりをみたら、高校はもちろん音楽科をチョイスしたのかと思いきや…なんと!
「大分県立大分商業高等学校を卒業しました!」と安部さん。大商からミュージカル俳優に!!なんとも面白い経歴です。

そして高校時代、安部さんにある転機が…。
安部さんの歌に聞き惚れた先生が、「瀧廉太郎声楽コンクールに出てみないか?」と安部さんに声をかけ、「専門的な音楽高校でもないのに賞は狙えないだろう」と思いつつコンクールに出場。

果たしてコンクールの結果は…?

なんと結果は入賞!!専門的にやっていないのに賞を受賞したことで学校もびっくり!!そして安部さんも自信を持ち、音楽への情熱はさらに燃え上がります。
「みんな授業中簿記とか算盤とかやっているんだけど、私だけ勝手に楽典やってた(笑)」と安部さん。
歌唱力と音楽を愛する気持ちを理解していた学校の先生はきっと黙認してくれていたのでしょう(笑)

実はその頃、安部さんが足繁く通っていたお店が府内町にあります。
「その頃、大分で大変お世話になったお店が『ブルーボワ』さん。コンクールや練習でコンパルホールによく行っていて、その帰りにしょっちゅう寄っていました!凄く可愛がってもらって、お店のリボンを作らせていただいたり、車で送ってもらったり…プロになって博多とかで公演をやる時はお店の人が今でも観に来てくれるの!まみさんとまりさんって言うんだけどね。最近、会えてないから元気かな?」
…とのことだったのでまみさんとまりさんに会いに私あべこ、『ブルーボワ』さんへ行って来ました!

可愛い外観、府内アクアパークの目の前にある『ブルーボワ』さん

店内は可愛いくておしゃれな雑貨がたくさん!

当時の安部さんをよく知るまみさん。両手に持っているのは安部さんが当時作っていたというリボン。実演してくださりました(笑)

当時の安部さんの印象をお聞きすると…。
「ふわ〜っとしていて、本当に誠ちゃんは昔から優しかったんですよ、お店が凄く忙しい時に誠ちゃんはリボン作りを手伝ってくれて、合計何100本も作ってくれたんです、しかもタダで!本当に今考えたらごめーーーーんっ!!って感じ!!」とまみさん。
『博多座』にはじめて安部さん出演の舞台を観に行った時は、安部さんを目で追うのに夢中で終演後、全くストーリーを覚えていなかったとのこと(笑)
「もう、誠ちゃんの発表会みたいな気分で、出て来ただけで感動したんよー!」とまみさんは笑いながら答えてくれました。

そして安部さんは高校卒業後、いよいよ専門的に音楽大学へ!商業高校から音楽大学という異例の進学!ちなみに学校にお伺いしたところ、大商を卒業して音大へ進んだ生徒さんは今のところ後にも先にも安部さんだけだそうです。

そして安部さんは大学卒業後オペラの世界へ!
声楽家団体「二期会」に入り、オペラの舞台に立ち続けていたある日「こんなのあるけど受けてみない?」とミュージカルのオーディションの募集要項を渡され、チャレンジしてみることに!そして見事合格!!はじめてミュージカルの世界へ足を踏み入れます。
その、初出演ミュージカルは宮本亞門さん演出の「キャンディード」
安部さんの役は一体、どんな役だったのでしょう?

初舞台「キャンディード」安部さんはいちばん右

「初舞台での私の役は”食人族”だったの笑!みんなにピッタリって言われて”亞門さん、見抜いてるなぁ〜”って私も思った笑」と安部さん。

ミュージカルだけではなく、ソロでライブ活動も行う安部さん

その後も安部さんは途切れることなく「エリザベート」や「モーツァルト!」など大劇場で上演されるミュージカル作品に出演し続け最近では歌唱指導としてテクニカル面でも作品作りをサポートしています。

現在、安部さんが歌唱指導で絶賛稽古中のミュージカル「ベートーヴェン」

「楽譜に書かれた音楽を読み解いて歌って表現することはもちろんだけど、演出家と演者の間に立ってサポートしていくのも歌唱指導としての大切な役目だと思っています。演者の立場や気持ちが理解出来てサポート出来るのも自分が現役の役者だからこそ!なんです」と、安部さん。

歌の指導中の安部さん

写真でも充分伝わる情熱溢れる指導っぷりです。

安部さんに最後に大分のみなさんに伝えたいことを聞くと…

「18歳で東京に上京しているから、誰とも連絡を取れていなくて、私のこと知ってる!覚えてる!っていう方、もしいたらぜひ、連絡くださいーー!」とのこと。
皆様、安部さんのこと知っている!同級生だった!という方、いらっしゃいましたら是非ご連絡を♡

『BLUE BOA』(ブルーボア)
大分市府内町の雑貨とファッションの店。輸入雑貨や洋服、バッグ、靴などさまざまなファッション雑貨が並ぶ。
住所:大分市府内町2-4-14
電話:097-533-0608
安部誠司
大分県大分市出身。国立音楽大学声楽科卒業、二期会オペラスタジオ42期生。2001年:宮本亞門演出「キャンディード」に出演。その後も帝国劇場を中心に多数のミュージカル作品に出演。最近は歌唱指導として「ベートーヴェン」や舞台「『鬼滅の刃』其ノ肆 遊郭潜入」にも参加している。
X(旧Twitter):@seijisinger
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